歯磨について
歯磨きはお口の健康と貴方の健康を守る基本です。
プラークスコアという言葉を御存知でしょうか?
歯周病に真剣に取り組んでいる歯科医院では必ずお口の清潔度を測定する指針として測定
しております。
PCR(プラーク・コントロール・レコード)が20%を下回らないと、歯周病の進行は止まら
ないとされています。
ちなみに、厚生労働省の歯周病ガイドラインにも、出ておりますので、通院中の歯科医院で
貴方のPCRを調べてもらってください。
当院では15%以下を目標に指導をしております。
12%を下回ると、歯肉の色調が明るくなりますし奇麗なピンク色になります。
信じていただけませんが、当院には0%の方も多くおられます。
当院では口腔内の細菌のDNAを調べており、rtPCRという技術で調査しております。
それで同じ名称を使いたくないのでPS(プラーク・スコア)と称してております。
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BOPという言葉を御存知ですか?
歯周病の検査の一つです。Bleeding On Probing(BOP)で、日本語に訳すと歯周検査時出血率と言います。数値が大きいほど
症状が悪い事を意味しますが、日本臨床歯周病学会では最低限10%を下回る事を目標にしています。
当院では5%以下を目標にしております。5%以下の方の歯肉は大変綺麗です。
出来れば3%位下に保つことが望ましい。 〇%の方も多くおられます。
喫煙は歯周病にもムシ歯にも大きなマイナス要因です。
ニコチンとニコチンから出来るコチニンは歯肉や皮膚の基底膜の細胞分裂を阻害して、基底膜細胞の新生を妨げます。
基底膜細胞が分裂して新しい細胞が出来て順に上方に上がり最後は脱落していきます。 細胞分裂を阻害すると細胞の補給が少なく
なりますから、お肌に良くないとされます。 同じ様な組織で構成されている、歯肉にも胃腸の粘膜にも害があるということです。
また、タバコのヤニが沈着する事で、細菌の沈着が多くなりムシ歯や歯周病の進行が早まります。
同時に血管の内皮細胞にも障害を与え、歯周病細菌の血管内浸入を容易にします。
歯周病と糖尿病
糖尿病に罹患すると歯周病が進行しやすくなります。また歯周病が進行すると糖尿病も 悪化することが分かっております。
進行した歯周病の組織からTNF-αというサイトカインが放出され、それがインシュリンの受容体と結合することにより、ただでさえ少
ないインスリンが活動できなくなります。血糖値が上がるとすい臓は血糖値を下げようとインスリン量を増やそうとします。増やした
インスリンが使われないで血中に増えると、インスリンは細胞分裂を刺戟する性質がありますので、がん組織が有る場合には、
癌組織の増大をもたらします。インスリン様増殖因子(ILGFと昔は記していましたが、最近はIGFと変更されています)
インスリン様成長因子(INSULIN-LIKE GROWTH FACTOR)、インスリン成長因子(INSULIN GROWTH FACTOR)
歯周病と血管の障害
進行した歯周病で喫煙習慣のある方に多いのがバージャー病(ドイツ語読みではビュルガー病とも言います)という血管が狭窄し、
循環障害を起こす病気です。
東京医科歯科大学の医学部でバージャー病の患者さんで、進行が著しくて下枝の切断に到った方の静脈血管から歯周病細菌の遺伝子
が検出されたと報告されました。 この事はお口から歯周病の細菌が血液中に侵入している事を示します。
歯周病の治療でバージャー病の症状が改善されるという事が報告されています。
歯周病を治す基本は歯磨きです。 歯磨きは貴方の健康を守る基本です。
歯磨きを指導いたします。
『力を入れない・スピードはゆっくり(ストロークは細かく)・歯ブラシは軟らかめ』が基本で、歯と歯肉との境目・歯と歯の
間を磨くのが重用です。
当院では5分法を最初に指導します。表側の左右半分を30秒ずつ、上下で2分です。
内側は前歯部と臼歯部に分けて30秒ずつ、片顎1分半で上下で3分、合計5分です。
その後は歯間部にアタックする方法を指導します。
歯磨きの大事なポイント
歯ブラシや歯間ブラシはその部分毎に水洗してから次の場所に進んで下さい。
特に歯間ブラシは水洗しないと沢山付着しているプラークを平均化することになります。
歯磨剤の泡は細菌が歯面への再付着を防ぐとの考えを持っております。
泡のある状態で一箇所10回から15回ブラシを使用する事を指導しております。
歯間ブラシも泡のある状態で一箇所10回から15回ストロークして下さい。
歯間ブラシは歯間部を通すだけでは無く、内側の角を磨くつもりで動かすことが重要です。
泡の無い場合は1箇所毎に水で洗って下さい。
ゴム製の歯間ブラシが市販されておりますが、痛みはありませんが効果も殆どありません。
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