医療法人 社団 佐藤歯科医院本文へジャンプ
用語の説明一般

 ビスホスホネート系薬剤関連顎骨壊死

Bisphosphonate-related osteonecrosis of the jaw BRONJと略します

ビスフォスフォ製剤(B・P 製剤)
骨粗鬆症に対する治療薬です。注射によるものと服用による物が有ります。

破骨細胞の活動を阻害し、の吸収を防ぐ医薬品骨粗鬆症[1]変形性骨炎骨ページェット病)、腫瘍

高カルシウム血症の有無にかかわらず)の骨転移多発性骨髄腫骨形成不全症、その他骨の脆弱症を

特徴とする疾患予防治療に用いられる。


上記疾患にきわめて有効な医薬品であり、近年急速に使用している患者が増えてきている。

使用している患者への歯科治療により顎骨の壊死が発生する可能性があることが問題となってきている。


 肺がんや乳がんの骨転移を防ぐために投与されているのが多いのですが、更年期を過ぎた女性に多く見

られる骨粗鬆症という病気の治療で多用されています。

抜歯後のBRONJの予防には抜歯創の1次閉鎖が重要とされますが、学会でも報告されているように口腔内環境を

良くする必要が有るという事は、当院での経験ですが抜歯に到るまでの準備期間が有れば、歯ミガキをしっかり行う

事でかなり発症を防ぐことが出来るという感触を持っております。ただし、歯ミガキのレベルですがPCRで12%以下

に保つというレベルです。一般の方にはかなりハードルが高いレベルです。

MRONJ (薬剤関連性顎骨壊死)

上記のBP製剤の他に血管新生抑制作用を持つ抗がん剤(アバスチン、スーテント、ラバマイシン、ネクサバール)の

使用中・後に顎骨壊死が生じ粘膜・皮膚に露出した状態のことです。約半数が抜歯後の治癒不全として生じ、残り

は歯性感染病巣(根尖性歯周炎や歯周病巣)の放置や義歯不適による粘膜かいようから生じている。

MRONJは通常の骨壊死とは異なり、骨壊死が限局化せずに進行していくことが問題で、癌。骨転移患者で生じた

MRONJでは有効な治療法が確立されていない。
歯性感染病巣の治療、義歯不適の予防が必要です。
嫌気性菌(けんきせいきん)

増殖に酸素を必要としない細菌である。酸素が有ると増殖出来ない菌、叉は死滅する菌とも言われます。


これらは主に、酸素存在下で酸素を利用できる通性嫌気性細菌と、大気レベルの濃度の酸素に暴露

することで死滅する
偏性嫌気性細菌に分けられる。酸素を利用することはできないが、大気中でも生

存に影響がない生物は、
耐酸素性細菌などと呼ばれる。



好気性菌
(こうきせいきん

好気性菌は酸素に基づ代謝機構を備えた細菌である。


細胞の呼吸で知られた過程の中で、好気性菌は、たとえば糖や脂質のような基質を酸化してエネル

ギーを得るために、酸素を利用する。またこれと対立した概念は嫌気性細菌である。

偏性好気性菌は好気的な細胞の呼吸のために、酸素を要求する。通性好気性菌(通性嫌気性菌)は

酸素を利用することができるが、嫌気的にエネルギーを産み出す
方法をも備えている。


位相差顕微鏡

 
当院では患者さんのプラークを採取して顕微鏡で見て戴いております。30年以上前から行っており、経験則です

が、歯ミガキの良出来ている方と不足しているそうで無い方では、見える菌種に違いがあることがわかっています

。歯ミガキの良いグループに特徴的な菌種は球菌が主体であること、不足しているグループでは球菌より短桿菌

や長桿菌が多くなっている事、運動性菌が多く見えること、ラセン状のトレポネーマ・デンティコーラという菌が見え

ることが解っております。

受診時に歯ミガキが良いが、球菌主体では無く短桿菌や長桿菌など不足しているグループ特有の菌が見える方

は何時もは手抜きをしているが、定期受診の時には数日前から綺麗に歯ミガキしてきているのでは無いかと思わ

れますと聞くと、そんな事まで解るのですかと驚かれます。

グラム染色

 グラム染色法という方法でスライドガラス上に塗布した菌を染めます。グラム陽性菌を青色系統にグラム陰性菌を

赤系統(ピンク系統)に染め分けします。染色キットにはバーミー法、ハッカー変法などが有ります。当院ではカラー

法(ビクトリアブルー、ピクリン酸アルコール、脱色、0.1%フクシン液)を用いて居ります。

グラム染色はデンマークの学者ハンス・グラム(Hans G.j.Gram)が1884年に発表した。細菌の細胞壁の構造のペプ

チド・グリカンの厚みと緊密さによる。

グラム陽性菌

 グラム染色で陽性(青色)に染まる。ペプチド・グリカン層により1次染色剤(ゲンチアナ紫、クリスタル紫、ビクトリア

青)が媒染剤(ルゴール等)とレーキを形成しアルコールなどの脱色剤により脱色されないで青く(紫色に)染まる。

ただし、グラム陽性菌は活発に分裂しているときは陽性に染まるが、分裂休止期は陰性に染まることが有るので注

意を要します。

グラム陰性菌

 グラム染色で陰性(2次染色のサフラニンやフクシンで)に染まる菌種で、歯周病の原因菌とされる菌はグラム陰

性菌とされる。私の感触では陽性菌も歯周病の悪化に関与していると思うが、日本歯周病学会は陽性菌は関係無

いという立場です。陰性菌は最外層にLPS、(リポ多糖体「LIPOPOLYSACCHARIDE」)を持ちますがLPSが毒性を発

揮するという理由らしいです。

口唇閉鎖不全

 最近の小児によく見られる唇が開いているのは口唇閉鎖不全と言います。歯が生える前でも上唇の形が富士山

のように山型になっています。赤唇という唇の赤見がある部分(大人の女性が口紅を塗る部分)が厚くなっていま

す。口が開いているので口呼吸をするケースが多く、鼻呼吸の場合には鼻で加湿されたりホコリなどを吸着して異

物等が気管や肺に入るのを防いでおりますが、そのまま気管を通って肺に入ることで気管支炎や肺炎、喘息にな

りやすいと言われております。口呼吸を止めるには口輪筋というお口の周りの筋肉を訓練する必要があります。吹

くと伸びる笛のオモチャや風車を用いて遊びながら筋肉を鍛える方法があります。歯科医院で専門の器具で口唇

閉鎖を目的に治療をしている医院もあります。心配な方は相談して下さい。

途中です